アキと私〜茜色の約束〜


私は二人から沢山の物を貰ったのに、私は二人に何もしてあげられない。

アキを暗闇から救ってあげることも。

“俺が、殺した…”

事故の日、そう呟いた秋人の心の闇を軽くすることも。


ならせめて、二人の笑顔がこれからも輝くように、私は私なりに出来ることを精一杯しよう。


もしアキが目覚めたら、眠っていた数年分、楽しい事を一緒にしよう。

美味しい物を食べて、綺麗な物を見て、バスケをして。

出来なかった青春を一緒に過ごそう。


秋人がまた闇に包まれそうになったら、私が隣りで肩を抱いてあげよう。

沢山泣いたっていい。

その後に、秋人の笑顔が見れるなら、私はいつでも胸を貸そう。


そうやって、少しずつ二人に、今まで甘えてきた分を恩返ししたい。