アキと私〜茜色の約束〜


「わぁ!」と、二人同時に驚きの声を上げると、自然と目が合った。

途端、ドキッと跳ね上がる鼓動。
全身に響くぐらい大きな音を鳴らす。
それが私のなのか、それとも秋人のなのか。
わからなくなるほど、私達の間に緊張が走った。


秋人はどっちかというと、ヤンチャでガキ大将みたいな感じだった。
いつも笑顔の中心にいて、皆を引っ張っていくような存在で。

恋とか愛とか、そんなの秋人には縁のないものだと思ってた。

だから、こうやってあからさまに顔を赤くして恥ずかしがられると、正直戸惑ってしまう。

私自身、今まで秋人をそういう対象として意識したこともなかったし。


この少しの沈黙が耐え切れなくて、何か会話の糸口を探していると、先に秋人が口を開いた。


「俺さ、さっき病院に行ってアキに宣戦布告してきたんだ」

「宣戦布告?」