「え…?明日もって…気付いてたの?」
私がこの四日間応援に行ってたこと、秋人には言ってないし、隅で隠れて見ていたから誰にも気付かれてないと思ったのに。
「気付いてるに決まってるだろ?あれで隠れてるつもりか?帽子深く被って、お前怪しすぎ」
そう言って、私を横目にふっと笑う秋人に、何も言い返す言葉がない。
まさか秋人にバレてたなんて、恥ずかし過ぎるでしょ…
「でも、嬉しかったよ。まさか毎日来てくれるなんて思ってなかったから」
ありがとな、と照れたように視線を逸らす秋人。
頬が少し、紅く染まっていて。
「う、ううん…」
そんな顔されたら、どうしたらいいのかわからなくなるよ…
私達の間を、追い駆けっこしていたトンボがブンッと耳元で羽の音を鳴らして通り抜ける。

