よくここで私達も追い駆けっこをしたっけ。
いつも私が秋人に捕まって鬼になると、アキがわざと捕まってくれる。
それで、二人で秋人を追い詰めて反撃して、また逃げての繰り返し。
何があんなに楽しかったのかわからないけれど。
ギャハハと大きな口を開けて笑って、芝生に三人並んで寝転ぶ。
全身に葉っぱをつけて。
泥だらけになって。
5時のチャイムが鳴ると、三人で並んで帰る。
私が真ん中で、両隣にアキと秋人がいて。
大好きだった。
三人でいるあの時間が。
私の宝物だ。
「よくここで遊んだよな、三人で」
「うん。今、私も同じこと考えてた」
秋人も私と同じことを思い出していたことが嬉しくて、くす、と笑みが漏れた。
「明日、準決勝だ」
「うん」
「明日も観に来いよ」

