夕方、土手に腰を下ろし、茜色に染まった空を眺める。

今日の風は気持ちいい。
応援で火照った身体を冷ましてくれる。

川や草花の香り、そして、子供達の笑い声は気持ちも穏やかにしてくれた。


「アキ。あと二日だよ」


ボソッと、茜空に呟く。
あと二日で、泣いても笑ってもバスケ部は引退だ。

もうすぐ、二人の青春が終わる。


秋人は今日の試合からフル出場していた。

それでも前半は後半に比べて動いてはいなかったけれど、明日からの試合はそうはいかないだろう。

全国四強が集う。
激しい戦いになるはずだ。

もしかしたら、足にも影響が出てしまうかもしれない。

秋人が倒れて、苦痛で顔を歪める姿を想像すると身震いがする。

どうか、明日が無事に済みますように。

わたしには、毎日こうやって願うことしか出来ない。