本当は、ずっと一緒に育ってきた幼馴染なんだから、寂しさも苦しさも辛さも痛みも、二人で分かち合っていくべきだったのに。


拳をギュッと握り締める。
溢れ出る涙は止まることを知らない。

私は紅く燃える夕日を背に、病院から逃げるように走った。

涙は頬を伝わず、横に流れて、茜色に染まる道に消えた。