「ごめんなさい」 私は迷わず答えた。 助けたからといって結婚なんて出来ない。 私は好きな人と結婚したい。 「…そうか。分かった」 諦めてくれたのかしら… 「おい。サラン」 「分かりました、デュレク様」 サランと呼ばれた執事の人は 頭を下げると私に近づいて来て鼻に 何かを当ててきた。