「改めまして、使いのシンと申します。どうぞ宜しくお願い致します」

スーツに身を包んだ、とても紳士的な人だった。

「では、お乗り下さい。あ、お忘れものは御座いませんね?万が一有ったとしても、こちらのご自宅には戻れません故、今の内に調べておいて下さい。もし、ないのなら、発車致します」

鞄に詰めた物は全て確認して入れた為、忘れ物は無かった。