昼食時、リュティア達は街人たちと変わらず、そのへんに腰掛けて食事にする。リュティアとカイの二人はいつも肩を並べて座った。
今日のメニューはアクスのつくった野菜のスープと、胡桃とレーズンのたっぷり入ったライ麦パンだ。
カイは自分が手に取ったひときれのパンとリュティアのそれを見比べると、おもむろに自分のものをリュティアに差し出した。
「こっちを食べるといい。こっちの方が胡桃がたくさん入っている。リューは胡桃が大好きだからな」
「いいんですか? あ、こっちはレーズンがたくさん入っているみたい。ちょうどいいですね、カイはレーズンが好きだから。はい」
パンを交換し、「おいしいですね」「ああ、おいしい」と笑み交わす二人を、子供たちが口をぽかんとあけてじっとみつめている。
リュティアの頬についたパンくずを、カイが優しくとってやる場面になると、母親が子供に慌てて目隠しをした。それほど二人は睦まじく、見ている方が恥ずかしくなるのだ。
このカイという若者が女王を護衛して再興まで導いた影の英雄だということは、誰知らぬ話ではなかった。また、彼が女王をみつめるそのまなざしにこもる熱に気付かない者はいなかった。
今日のメニューはアクスのつくった野菜のスープと、胡桃とレーズンのたっぷり入ったライ麦パンだ。
カイは自分が手に取ったひときれのパンとリュティアのそれを見比べると、おもむろに自分のものをリュティアに差し出した。
「こっちを食べるといい。こっちの方が胡桃がたくさん入っている。リューは胡桃が大好きだからな」
「いいんですか? あ、こっちはレーズンがたくさん入っているみたい。ちょうどいいですね、カイはレーズンが好きだから。はい」
パンを交換し、「おいしいですね」「ああ、おいしい」と笑み交わす二人を、子供たちが口をぽかんとあけてじっとみつめている。
リュティアの頬についたパンくずを、カイが優しくとってやる場面になると、母親が子供に慌てて目隠しをした。それほど二人は睦まじく、見ている方が恥ずかしくなるのだ。
このカイという若者が女王を護衛して再興まで導いた影の英雄だということは、誰知らぬ話ではなかった。また、彼が女王をみつめるそのまなざしにこもる熱に気付かない者はいなかった。

