山道はラミアードの想像以上に細く高く険しかった。

二人は協力して一歩一歩を登った。雪道では交互に前へ出て雪を踏み固めながら歩き、一歩足を踏み外せばまっさかさまという崖の道では、互いの体をロープで固定して進んだ。

しだいに酸素も薄くなり、二人は頭痛をこらえ、あえぎながら山頂を目指した。二人でなければ到底越えられないような難所がいくつもあり、ラミアードはその度にカイの存在に感謝した。

ついに山頂の大地を踏んだ時、二人は手を取り合って歓声をあげた。

そしてすぐに――

そこに広がっていた景色に言葉をなくした。

それは二人の想像を絶する光景だった。

彼らが登ってきたのと反対側の山の斜面はごっそりと大きく削られ、そこに崩れかけた巨大建造物が存在していたのだ。

それは古代の人々の住居群のようにも、あちこち土台だけが残った巨大な神殿の遺跡のようにも見えた。

カイが手近な壁に手を伸ばすと、それはぱらぱらと簡単に崩れた。

「これは…土でできているようです」

「レヌスにこんな秘密があったとはな…」

「おそらく、王の宝はこの遺跡の中に」

二人は目を見合わせ頷き、遺跡の中へと足を踏み入れて行った。