家を出たい。この土地から逃げたい。思いは強く大きく、破裂寸前の風船のように膨らんでいく。
それは夫婦で農業をしている伯父夫婦が帰宅してからも変わらず、この家の住人が揃って夕御飯を食べてる時も変わらなかった。
そう、住人。私達は家族ではなかった。
そりゃ伯父とその妻は夫婦であり、家族だった。でもそこに私が入ると、家族というのとは違った。
一応血は繋がっている。でも誰よりも他人。
誰も話す事のない食卓は、テレビから聞こえる音だけがBGMのように流れてた。
「……ご馳走さまでした」
「あぁ、もういいのかい?」
「はい。あ、これ洗っておきます」
