家に誰もいない。それがこんなにも安堵する女子高生なんて、なかなかいないのではないだろうか。
私に父親はいない。母親もいない。
この家の主は、顔さえ覚えてない死んだ父親の兄。つまり私からしたら伯父である夫婦が住んでいる家だった。
伯父夫婦の一人息子が巣立って部屋も余っていたからという理由でこの家に来て、もう7年くらいになる。
それでも、7年という年月が経っても、私と伯父夫婦の間にある“溝”は埋まる事はなかった。
あの事件の後に私を引き取ってくれた伯父夫婦とはそれまでなんの関係もなかった。だから初対面同然の人と突然一緒の家に住むだなんて、戸惑い以外のなんでもなかった。
きっと伯父夫婦もそんな私に気付いてた。色んな事があって暗く沈んでいた私に、どう接していいのか分からなかった。
深まり続けたこの溝は、もう、どうする事も出来なかった。
