私と違って社交的で友達も多い拓斗。
「なぁユキ、このあと暇?」
そんな彼が同じように明るい雰囲気を持つ高橋幸満と親しくなるのは、当然といえば当然だった。
「なんで?」
「だってお前、此処に来たばっかで何処に何があんのか知らねぇだろ?案内してやろうと思って」
「あ~…、悪い。俺、このあと病院行かなきゃなんだよ」
「え?病院?なんで?」
「ん~……まぁ、ちょっと体調悪くて」
「マジかよ!おいおい大丈夫かよ―――…って、高橋?帰んの?」
話を続ける二人に挨拶もせず立ち去ろうとした私に気付いたのか、拓斗が声を掛けてきた。
高橋幸満も私を見て「八重?」なんて言ってる。
「名前で呼ばないでよ」
「あ、でも八重…」
「はいはい。じゃあね、お大事に」
我ながら可愛げのない、適当な挨拶だと思う。
それでも高橋幸満はへへっと笑って「バイバーイ!」なんて手を振るから、少し呆れた。
