星なんて数え切れないほど見てきた。

しかし17年間生きてきた中で、1度も流星群というのを見た事がなかった。


興味がそそられたのかもしれない。


学校が終わり帰宅しても獅子座流星群の事が頭から離れなかった私は、伯父夫婦が寝静まった深夜ひっそりと家から脱け出した。


私が住んでいる所は360度畑しかないド田舎。


朝になればたまに白鳥が畑を荒らしカーカー鳴いているこの場所は、高校までバスで片道一時間も掛かるし、何かと不便で不満ばかりが溜まる。

しかし珍しく都合が良いと思えたのは、この近くにある丘があるから。


自転車で数十分進んだ先にある丘には、まるでそこを象徴するような大きな木がなだらかな小高い場所に生えている。


近所の人はその丘を、“流星の丘”と呼んでいた。