とどのつまり、それが言いたかったのだろうか。
結婚でもさせて、私が「辞める」と言うのを待つつもりなのだろうか。
まぁそんな公言なんてしなくても、小説家……特に私みたいな売れない作家なんて、書かなければ自然と、地味に消えていくけれども。


「どうかされましたか?」

「……いえ」


中途半端な所で切った私に佐伯さんが不思議そうな顔を向ける。

バカだ。また被害妄想。

佐伯さんはただ純粋に案を出してるだけかもしれないのに。現在の婚活内容はメディアにもよく取り上げられてるから、キャッチフレーズとしては使えると思い提案しただけかもしれないのに。


「考えておきます」

「はい。あ、でも彼氏さんがいるんでしたら、無理して参加なんてしなくてもいいですからね」