「有里!」
悠くんの腕が私に伸びてきてぐっと引き寄せられた
「ははっ…」
悠くんの中で私の漏れた声は乾いた笑い
「きをつけろ!!」
「ごめっ…」
謝ろうと思って顔を上げると
悠くんが怒っていたのは
私じゃなくあたってきた男のひと
「すいません、」
男の人が慌てて階段を上がっている
「おい大田 有里が運動音痴ってしってるだろ?」
「え、大田くん?」
大田くんはクラスが同じで
悠くんと仲が良いひと
「急いでて」
「あ、大丈夫」
なんともないとわかるように私は
両手をブンブンふるいまくった
「それよりごめんね
悠くんが大きな声で怒鳴って」
「あ、こっちが悪いから」
「ダメだよ悠くんいきなり大きな声出したら」
「俺は危ないから注意しただけだし」
「それでも」
