「華音様、ヘアセットとメイクしますよ!」



「へっ!? 都さん!」



 都さんはそう言って私をドレッサーの前に座らせて髪の毛を整え始めた。




 都[ミヤコ]さんは、私が小さい頃からうちのお手伝いさんとして働いているベテラン。



 年はママより少し上ぐらいだから、よく話を聞いてもらってたこともある。(ママが忙しい時とかにね)



 優しくて話しやすいからすごく尊敬してるんだ。




「華音様は着物お嫌いでしたよね。でも、髪をアレンジすると、気持ちも変わるものですよ。……ほら!」