本当はまだちょっと心配だったけど、丸井も泣き顔を見られて嫌だろうしお言葉に甘えることにした。



「……ありがとな、丸井」



「ううん。私の方こそ、ちゃんとした返事してくれてありがとう……。藤堂さんに、ごめんなさいって言っておいて?」



 まだ目に涙を残しながら笑う丸井に最後の言葉を残し、俺は華音の待つ車へと急いだ。




──バタンッ──

「あ~ぁ。藤堂さんが羨ましいなぁ……」



 と、丸井が呟いていたことを俺は知らない──。