「うわぁ……──。キレイ……」



 全ての部屋を見終わった後、藤堂華音は窓の外を見ながらそう呟いていた。



 それもそのはず。



 ここの部屋はこのマンションの最上階にあるのだから。



 本当、何考えるんだか……。




「ねぇ颯真。華音ちゃん、可愛いでしょ?」



 母さんがこそこそといきなり変なことを聞いてきた。



「はぁー。確かに噂どおりだけど……。何を考えるんだよ」