颯真と呼ばれた人は、ほんの少し嫌そうな顔をしたけどすぐに笑顔になって言った。



「黒崎颯真[クロサキソウマ]です。よろしくお願いします」




 優しそうな笑みにモデル顔向けの整った顔。



 柔らかそうな茶色の髪は彼に似合っていて、まるで王子様みたい……。



「あらあら、颯真くん。しっかりしてるのねぇ~。……華音もぼーっとしてないで自己紹介しなきゃ」



「え……? あ、うん……」



 うわぁー、自己紹介とかあまり好きじゃないんだよな……。



 よくパーティーとかで自己紹介するんだけど、何を言っていいか分からないの。



 でも、颯真さんも名前だけだったから私も……。