最後に「さよなら」と咲良ママ言ってから私は先に車に向かった颯真を追った。



 何で置いていくかな、颯真は!



 あとで文句言ってやろう、そう思いながら車に向かった。





 私は知らなかったんだ。



 咲良ママが私の後ろ姿を見ながら、



「華音ちゃん、早く気づいてあげてね」



 と、呟いていたことに──。