次の日からお母様はお父様に言われた通り、同じ時間に来て川のすぐそばでお父様とずっと話しをしていたらしい。
ミシェル村のこととか、他の街や村のこととか、お城のこととか、普段の何気ない日常のこととかそんな他愛もない話をしていた。
でも、そんな他愛もない会話が二人にとってはとても楽しくて、お互いに全てを忘れられる時間だった。
そんな生活が2年も続き、その間にお父様とお母様は名前で呼び合うようになっていた。
さすがに、王様であるお父様を呼び捨てにすることはできなくて、クロード様とずっと呼んでいたらしい。
クロードというのはお父様の名前でお母様は今だにそう呼んでいる。
当時の名残がまだ抜けないらしい。
お母様はというと、話している時自分の気持ちを王様であるお父様に悟られないように必死だったらしい。
でも…そんな、ある日。

