お母様はそのとき初めて王様であるお父様を見て、一目惚れしてしまったらしい。
お父様はというと、まだ16だというのに国をまかされて王様になったらしい。
若くてかっこいいと有名だったお父様は散歩が好きでよく街や村にでかけていて、庶民との仲を深めようとたくさんの人に声をかけていたそうだ。
「王様、失礼いたしました。ご無礼な態度をとってしまったことをどうかお許しくださいませ。私はミシェル村の者でございます。この川へ水をくみにきました」
お母様は膝をついて頭を下げて話した。
すると、お父様は
「顔を上げよ。膝をついていては綺麗な足に傷がついてしまう」
そう言って、馬車から下りた。
お母様は王様が近くにいることにとても驚いてしまい、その時倒れそうになったらしい。
お母様は初めてこんなにも近くで王様を見て、噂通りとてもかっこ良くて、紳士的で、とても素敵な人だと思ったらしい。

