そして、私にキスをして


「アリスというのはこの国ではヒーローのことであって、そのヒーローのことを“アリス”と呼ぶのです。ですから、私はあなたのことを知っている訳ではありません。あなたはたまたま選ばれた者なのです。そして、あなたの名前がたまたまアリスだったのです。」

そっか。
そういうことだったのか。

アリスはよくやく話の四分の一くらいは理解した。

じゃぁ…

「じゃぁ、私の役目って何?」

私は一番気になったことを聞いてみた。

「そんなことを今ここで話すのであればきっと夜が明けてしまう。アリスに選ばれた以上あなたの運命はもう決まっています。元の世界へ帰りたいのであれば、この世界を救ってからではないとあなたは帰れないのです。」

そんな…。
帰れないなんて…。

そんなの絶対に嫌。