当時私はまだ7歳だった。

退屈そうな私にお母様がお父様とお母様の出会いについて話してくださった。
そのとき、お父様はちょうど国の決め事で不在だった。

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ある日、もともとは庶民だったお母様はその日たまたまためておいた水がなくて、川へ水をくみに行っていた。

水がくみ終わったので家に帰ろうとしたとき、一台の馬車が通りかかってそこで急にお父様に声をかけられたらしい。

「そこのお嬢さん、何をしていらっしゃるのですか?」

お母様は突然のことでびっくりして、膝をつくのも忘れていたらしい。

当時、王様が前を通るときは誰しも膝をついて頭を下げなくてはならなかった。