そして、私にキスをして


「私は初めてここで会った時からあなた様に惚れていました。あなた様はとてもかっこよくて、優しくて、包容力があって、私には到底叶わない人だと思っていました。だから、昨日言われたことが本当に本当に信じられなくて、こうしている今、この時がまだ夢のような気がして」

お父様はお母様の話をうなずきながら真剣に聞いていた。

「クロード様…私の家は小さな村の農家をしております。あなた様と私とでは身分が違い過ぎて、価値観も違い過ぎて、きっと生活が大変になるだろうと思いました。昨日、父からもそう言われました」

「………」

「ですが、父の一言で私の考えは変わりました」

そう言ってお母様は立ち上がり、お父様の目を見てこう言った。