タイムリミットの30分。
ちゃんと時間を気にしてくれるのは、優の優しさなんだよね。
「じゃあ切るね。
ありがと」
『うん。
巳波に言っとくから。
じゃあね』
「バイバイ」
ケータイ料金の関係で貴重な30分の通話。
本当は巳波と話すつもりだったんだけど。
ま、いっか。
玄関を開けて家の中に入ると、次にあたしを待っていたのはママ。
未来に内緒で優と電話してるのを怪しく思ったみたい。
あたしの気も知らないでバンバン意見をぶつけてくる。
「親にだって、言えないことはあるよ!!」
泣きながら反抗。
だって。
巳波と両想いで、悩んでて…
優に相談した、なんて言えるわけないじゃん。
巳波のことは、まだ黙っておきたいもん。
電話の相手が優だったから、誤解を招くのは仕方ないけど。
電話の内容まで親に話したくない。
逃げるようにその場を去って、未来の部屋まで行った。
「…未来。
誤解させてごめんね。
本当のこと、いっそのこと全部話すから」
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