「学校来る意味ないよ〜。
こんなんなら、片想いのがまし!」
次々と不満が口から零れる。
だって。
それくらいに巳波を好きに、なっちゃったんだもん。
「うん…」
静かに頷いたココ。
何も言わずに、あたしの話を聞いてくれる。
「走り方変なの。
しかも、蹴るとこ見てるとウケる」
ボールを蹴って、シュートの練習をする様子が可愛い。
いつも、いつも。
昼休みに巳波を見れるだけで、あたしは幸せなんだよ。
「ねぇ由紀乃?」
「ん?」
巳波からココに視線をずらした。
「休みの日にでも、どっか遊びに行かない?」
「行くっ」
ココからの誘いに立ち上がって即答した。
「じゃあ決まりね」
お互い目を合わせて笑顔を向ける。
ココと一緒にいると、辛い時でも笑顔になれるんだ。
それは、ココがあたしの大切な親友だからかな?
もしココがあたしを親友って思ってなくても。
…どっちにしても。
今こうして、誰かを信じていられるのは巳波が光をくれたから。
どうしようもない時、
辛い恋をしてた時、
助けてくれたのは巳波だったから。
だから
「ありがとう」。
ただ一言、そっと心で呟いた。
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