Jewel Memory*2つ年下




一瞬、振り返った巳波と目があった。


だけど、

巳波歩くの早いよっ。


すぐバイバイするように、なっちゃうじゃん。




「未来は自転車だけど、あたしは車なの〜!」


「自転車で来ればいいじゃん」


もうっ、本当に何も分かってないんだから。



「だって雨に濡れるの嫌なんだもん…」


そう答えるあたしを見て、クスッと笑う。


ビショビショになって帰るのなんて、嫌だもん。




それに。


迎え来るのが遅くて待ってたから、こうして巳波に会えたんだよ?


それが何よりも嬉しい。





真っ直ぐ前を向いて歩く巳波が、すごく愛おしく感じた。


あたしの視線は完全に巳波に向いてるのに。


巳波はあたしを真っ直ぐに見てくれないね。



それでも、巳波の近くを隣じゃなくたって、

歩けることが嬉しいんだよ。





「あ、ねぇバレたかも」


会話が途切れた時に、巳波が思い出したように発した一言。



「何が?」


その意味を全く理解できないあたし。



だって、バレたって言われても…。



言葉足んなくて分かんない。




「だから、俺らのこと」




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