今日は部活動もなくて、その代わりに委員会活動が放課後に入ってた。
それも終わった頃。
友達や後輩が楽しそうに話しながら帰る様子を、あたしは1人眺める。
未来は雨の中、自転車で帰ったけど。
あたしは車だから迎え待ち。
いつも一緒のココも委員会が別だから、
どこにいるか、わかんないし。
昇降口で愛と会って少し喋ってたけど、愛も友達と先に帰っちゃった。
1人が1番嫌いなのにな。
雷鳴ってるし、心細い…。
10分も時間が経てば、昇降口に群がった生徒の数も、
寂しいほどに減っていた。
ただ外のピカピカ光る景色と、
水がはねる足元を交互に見つめる。
巳波……。
ふと頭をよぎった巳波の笑顔。
会いたい。
寂しいよ。
近くに来てよ───
急に会いたくなって。
余計に切なくなって。
1人が寂しくて。
巳波が恋しくなった。
『由紀乃』
ひょっこり目の前に現れて、
そう言ってほしい、って。
偶然会えたらいいのにな、って。
もしかしたら近くにいるかもしれない、
なんて勝手に期待して。
巳波の笑顔を思い浮かべた。
──────巳波…
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