「5時少し前だよ」
「マジかよー。
まだいっぱい時間あんじゃん」
答えを聞いて、疲れたように笑う巳波。
「部活楽しい?」
あたしは教室から、また外に出ながら聞いた。
「うん。
でも、疲れる!」
それは当たり前だってば。
でもね、そんなキラキラした笑顔で言われたら、
目を逸らせなくなっちゃう。
見つめることで、いっぱいになって言葉が出てこないよ。
「何してるのー?」
そんな時、聞こえた愛(マナ)の声。
愛は、身長が高くて、可愛くて、優しい女の子。
ココが綺麗だったら、愛の場合は可愛いが似合うかな。
ちなみに美術部の部長。
言っとくけど、あたしだって副部長だからね。
「ちょっと喋ってたぁ」
適当に誤魔化す。
「ね、あたしのこと知ってるよねー?」
愛は、そう言って巳波を見る。
「うん」
巳波は相変わらずの笑顔。
小学校が同じだったから愛と巳波は友達だったみたい。
しばらく話し込んでから。
「俺、じゃあ行く」
巳波は水道を離れた。
「バイバイ!
部活頑張ってねッ」
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