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本文
好きな人がいるんだけど、
なかなかアド聞けないの…
今日もダメだった
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送る寸前になって、指が1度躊躇った。
巳波、迷惑じゃないかな。
あたしのことで相談しちゃって。
長い間悩んだ末に、ゆっくり送信ボタンを
───ピッ
恐る恐る押す。
画面には、
“送信しました”
の文字。
それから、返信は予想以上に早く来た。
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本文
自分を信じろ!
前を向いてさあ行け。
頑張れ
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読んだ瞬間、自然と笑みが零れたよ。
…巳波。
あたし、その言葉があれば
何でも頑張れそう。
ちょっぴり決めてる巳波が、スゴく愛しく感じたの。
明日こそは頑張らなきゃね。
だけど、
だけどね。
メールを読んだ時、辛かった。
巳波からの言葉は嬉しいはずなのに。
どこかで思ってたんだ。
“あきらめれば?”
そう言ってほしいって…。
巳波に、そう言ってほしいって。
止めてほしかった。
“頑張るのやめろ”とか、
“その恋あきらめれば?”とか、
“巳波”だから、言ってほしかった。
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