Jewel Memory*2つ年下




駅伝大会の時とは、全然違った。


あの時は、目が合ったと思ったのに。


巳波が見てたのはあたしじゃなかった。





「良かったじゃん」


ココが近くに来て笑顔で言う。


「うん♪」


「やっぱ、巳波は由紀乃が好きなんだって」


そうかな?


そうだったら嬉しい。



今までの不安が無くなっちゃうくらい、スゴく嬉しいよ。




「でも……。


ううん、なんでもない」




言いかけて止めた。



期待しちゃダメ。


裏切られた時、余計に悲しくなるから。



でも今は、そんなこと忘れたい。





「あのね、あたし。

堀川竜に告られて、巳波にスゴく会いたくなった。

よく分かんないけど、巳波がスゴく愛おしく感じた」



「そっか………。

きっと…、向こうも由紀乃のこと大切だって思ってるよ」


「うん」





もう1度、

冷め始めた恋心を、温めてもいいのかな?



『俺を信じろ』


その言葉を、信じてみてもいいのかな?





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