紅「たっかーい」



今俺は5メートルはあるかって門のまえにいる。



紅「ほんとにここであってんのかなぁ?」



キラキラしたでっかい門の横にはちゃんと《白亜学園》って書いてある。




白亜学園は従兄弟の紫(ムラサキ)が理事長を勤める学園。



そして今日から俺が通う学園。



でもこの門、どうすんだろ。




インターホンもないし。



飛び越えるの?


そうかな?


そうだよね!



軽くしゃがんで地面を蹴る。



ふわっと体が浮く。



そのまま背面跳びを応用して門を飛び越え、くるっと回転して着地。




紅「うん。問題無し」



こうみえても、運動神経はよかったりする。



ずれたかつらをちょちょっと直して、うんばっちり。



あ、かつらってのは変装してるから。



今日、家出るときに前髪の長い黒いかつらと目にいいらしい黒のカラコン、今時誰がすんのかっていう黒縁瓶底眼鏡を渡された。



もも姉に問いただしたら、王道じゃなーいっていわれた。



なんの王道かはあえてきかない。


それと変装セットだけじゃなくて条件まで渡してきやがった。



素性がばれないことと、彼氏をゲッティングすること。