【完】『道頓堀ディテクティブ』

しかし。

「あなたがたは、勘違いをしよる」

そもそも探偵という仕事は表に顔が割れては、仕事にならないのである。

「それに司法官憲でもなければ、映画のヒーローでもない」

現実を見ろ、というのが穆の本心であった。

「そもそも思い込みで被疑者を犯人やと決め付けといて、違ったら掌を返すような人は信頼が置けん」

奥にいたまりあは、意外に穆が硬骨漢で、筋の曲がったことが嫌だという事実に気づいた。

記者が来る前に、

「まりあちゃんは奥にいなさい」

そうやってかばってくれての後である。

怒鳴ることはなく、

「ではなぜそう思うのですか?」

などと切り返し一人で戦う穆の様子を気にしながら、

「…穆さん、ファイト」

小声でエールを送るのであった。