調査書には表立ったことしか書かれていなかったので、
特に悪事は起こしていないシェリルは名前しか載っていなかったのである。
「はい。
前当主が亡くなられてしまいましたが、シェリル様はまだ幼く、当主にはなれない年齢だったため、次の代として前当主の弟ヴィクターが選ばれました。
前当主の妻はすでに他界していたのでシェリル様は現当主ヴィクターに引き取られました。
そのヴィクターが相当のねじ曲がり者で…人が傷つくのを見るのが好きなようです。
そして、ヴィクターの正妻シャーロットもしかり…
前当主の様な暖かいクラーク家は無くなってしまいました」
顔を歪めながらルーナは汚物を吐き出す様に答えた。
「シェリル様はこの13年間クラーク家当主夫妻の暴力に耐えてきたのです‼︎
それを側で見てきた私は…!何も、何も!」
そう言って泣き崩れたルーナのもとに慌ててシャロンが寄り添い、背中をさすってあげた。
「…っ!恐れながら、皇太子様。
シェリル様は人間の前で笑われることはありません。
唯一笑顔になれることと言えばクラーク家の奥の森で動物と戯れているときだけです。
どうか、どうか彼女をお救い下さい…‼︎」
ルーナの切な願いにクリストファーとシャロンが深く頷いた。
特に悪事は起こしていないシェリルは名前しか載っていなかったのである。
「はい。
前当主が亡くなられてしまいましたが、シェリル様はまだ幼く、当主にはなれない年齢だったため、次の代として前当主の弟ヴィクターが選ばれました。
前当主の妻はすでに他界していたのでシェリル様は現当主ヴィクターに引き取られました。
そのヴィクターが相当のねじ曲がり者で…人が傷つくのを見るのが好きなようです。
そして、ヴィクターの正妻シャーロットもしかり…
前当主の様な暖かいクラーク家は無くなってしまいました」
顔を歪めながらルーナは汚物を吐き出す様に答えた。
「シェリル様はこの13年間クラーク家当主夫妻の暴力に耐えてきたのです‼︎
それを側で見てきた私は…!何も、何も!」
そう言って泣き崩れたルーナのもとに慌ててシャロンが寄り添い、背中をさすってあげた。
「…っ!恐れながら、皇太子様。
シェリル様は人間の前で笑われることはありません。
唯一笑顔になれることと言えばクラーク家の奥の森で動物と戯れているときだけです。
どうか、どうか彼女をお救い下さい…‼︎」
ルーナの切な願いにクリストファーとシャロンが深く頷いた。
