キミのために

「クリス?シェリル様はいた?」



暗闇の中からシャロンが出てきた。



「シャロン、さっきは鍵ありがと。

シェリルはいたよ…冷たくなってね。

もちろん生きてるから安全なとこへ避難させてくる。馬車がいいかな」



「あぁ、そうだね。

馬車なら護衛が待機してるし、今日の護衛は特に信頼してるやつしか連れてきてないしね」


俺はシェリルを横抱きに抱き上げるとシャロンがシェリルを覗いてきた。


「ふぅーん、この子がシェリル様なのか…。かなりの美人だね」


「ふふ、でしょ⁇でもあんまり見ちゃダメだよ」


「へぇ」


何故かニヤニヤしているシャロンは無視しておこう。


…それにしても。シェリルは軽すぎやしないか。ちゃんとご飯食べてたのかな。


もうこんな家にはいたくなかった。シェリルをこれ以上穢されるのは我慢ならない。


シェリルを馬車にそっと置いてきて、見張りに護衛するよう言い聞かせてから、また応接間に入った。