キミのために

急いで中に入り、横たわっていたシェリルの体を強く掻き抱いた。


…脈は…!



胸に耳を当ててみると、ドクドクと規則正しい心音が聞こえ、かなりホッとした。



…良かった。生きてる。

何とか間に合ったんだ…。



もう1人なんかにはしないよ、シェリル。


君の側にいる。





長い間シェリルを抱き締めていたら、



「ん……ぅ…ん」



「シェリルッ⁉︎」




「ぅ、ん?…く、りす?」



ゆっくりと白い瞼が開いて澄んだエメラルドグリーンの瞳と目が合った。



一ヶ月ずっと一瞬たりとも忘れることはなかったこの瞳。



「よかった…!よかった、シェリル‼︎」



思いのままにシェリルを強く抱き締める。



「う…ぐ、ぐるじぃ」



「あ、ゴメン!」



今度は優しく、包むように抱き締めた。



シェリルの顔をよく見ると、シェリルも見つめ返してきた。


…かわい。