キミのために

女が案内してくれるというので女に連れられて応接間へと行く。



女が扉をノックし、部屋の中へと入った。


中には長いテーブルがあり両サイドにずらりと椅子がならんである。


真ん中あたりに当主夫妻、その脇に長男のリアム、長女のアメリアがすでに座っていた。



当主夫妻の前の椅子に腰かけたのを合図にシャロンが口を開いた。



「文は出しましたが、突然用事を作って
しまい、申し訳ございません。


失礼を承知でしたが、急なお話があったのです」


「いいえ、失礼なんてとんでもない。

皇太子様直々とあらばなんなりと」


当主のヴィクターはたるんだお腹を持っていて…。見苦しいな全く。

「ふふ、


でも話が始められないんだけどな」



「え?」




俺の言葉にシャロンも頷く。