キミのために

…どのくらい歩いただろうか。



ようやく牢屋の前に来た。


薄暗くてボウッと浮かびあがる炎の灯りが不気味…。




「こちらへ、シェリル様…。

私もあなた様の味方ですから」


つらそうな瞳で私に言ってくれた牢屋の番人。


…本当にここの人達は優しい。


「ありがとう」


牢屋に入れられて足枷を両足に付けられた。

…ヒンヤリと冷たくて重い。


完璧に脱出は無理だ。


ここには布団もなく、夜は地べたに寝るしかなさそう…。


体育座りでうずくまり、今までのことを振り返る。



…クリスに会おうとしたのが間違いだったのかな。



あの日会ったことだけを思い出にすれば良かったのかな…。


そう考えていると涙が出てきた。


…泣きたくなんか、ないのにっ


……すると