キミのために

ガシッと両腕を掴まれ為す術もない。


「……」



しばらく無言で廊下を歩くと両脇の2人に小声で話しかけられた。


「シェリル様…あなたのお力になれず、申し訳ありません」


「所詮我々は小心者なのです。あなたを救いたいのに…行動に移せない。

どうか貶して下さい」



「…そんなことを思って下さっていたのですね。ありがとうございます。

気に病むことはありません。

そう思って下さるだけで十分嬉しいです」



そう言うと、2人は頬を赤く染めた。


…何故かしら。



「そっそれより!私たちなんかに敬語を使う必要はありません‼︎


シェリル様はここの使用人みんなに平等に接して下さいますが、

あなたの方が地位は上なんです」