ーーーーーある日の夜。




「はぁ…また増えちゃった…っぃたっ」



馬屋のような暗い場所に少女ーーーシェリルがいた。


触ると柔らかそうなブロンドの髪は腰まで垂れていて、


澄んだエメラルドグリーンの瞳は今は痛みをこらえるかの様に固く閉じられている。


目尻には涙がうっすらと溜まり、ツツーッとシェリルの白く柔らかそうな頬を流れた。

「多少の傷なら慣れてるはずなのに…結構痛いなぁ」



そしてシェリルは自分の右脚の脛にある赤黒く変色した大きな痣を見た。


つい先ほどシェリルは叔母の怒りを買ってしまい、ヒールで蹴られたのであった。


その痣はヒールの跡をくっきりと残していて、白いシェリルの肌には禍々しくうつっていた。