「大丈夫?」

 優奈が優しく涙菜に言った。

「うん・・・有難う、優奈。でも・・・」

「何?」

「は、離してくれないかな?」

「へっ?・・・あっ!ご、御免!!」

 どうやら優奈は涙菜を抱き締めていたのを忘れていたようだ。顔を真っ赤にして慌てて離れた。

「・・・でも、落ち着いた。」

「良かった。」

 優奈は柔らかく優しい笑顔を涙菜に向けた。涙菜も微笑み返した。



      “ピンポーン”


 そこで、チャイムが鳴った。言うまでも無く優奈を迎えに来た人たちだった。