「(だったら誰なんだろう。私の知らない子?)」

 涙菜は優奈に訊いてみた。

「もしかして、私の知らない子?」

「ううん、君が一番知っている子、と言うよりも君が一番近くにいる。」

「・・・」

 涙菜が考えていると、家に着いてしまった。
 両親はまだ帰っていない。

「優奈、有難うまた送ってきてくれて、」

「・・・涙菜。」

「?」

「これあげる。」

「これって、私が吹いていたフルート?」

「うん。」

「有難う、大切にするね。じゃ、」

 涙菜は家に入ろうとした。だが

「涙菜!!」

 涙菜は驚いて振り返った。

「!?」

「ぼ、僕の・・・好きな人は・・・」

 優奈は顔が真っ赤になりながら、必死に言葉を繋げ様としていた。
 そして、聞こえた言葉・・・それは、

「君だよ・・・」

「えっ・・・」

 涙菜が問い返す前に優奈は走って行ってしまった
 涙菜は唖然として、その場に立ち尽くしていた。