ヴァイオリンとフルート

 旋風が去った後、すぐに他の女子が口々に言った。

「絶対あれよ、昨日転校して来た夕闇とか言う奴と一緒だよ!」

「そうよ、絶対そうに違いないわ!」

「あの、天本とか言う奴も一緒よ。」

「いくら、昨日転校して来たばかりで、優奈君と親しいからって少し可笑しいんじゃないの!!?」

「そうよ、」

 と、教室中で涙菜や梨恵の悪口大声で言い出した。

 

 ・・・そこに涙菜がこっそりと聞いているとも知らずに。


 涙菜は折りたたみの日傘を取りに教室に帰ってきていたのである。
 そして黙々と涙菜と梨恵の悪口を言っている女子達にクラスメートの一人が言った。

「何もそこまで言わなくても良いんじゃないですか?」

「何よ、文句あるの?」

 そして、さっきと違うクラスメートが言った。

「あるよ、夜光君は貴女一人の物じゃないのよ。」

「そうよ、まだね。でもその内、私の物になるのよ?それを盗られそうになってるのが腹が立つのよ!!」

「優奈君は物じゃないのよ?それに、夕闇さんはそんな事しないわよ。勝手な事考えないであげてよ!」

「そんな事言って貴女も優奈君盗られそーで、不安なんじゃないの?」

「うっ・・・」

「ふっ、結局貴女もそうなんじゃない?人の子と言えないじゃない。」

 さっき、言葉の詰まった子は、キレたようにさっきの言葉を発した女子を叩こうとした。

 その間に涙菜が見ていられずに飛び出した。