ヴァイオリンとフルート

 授業の前半が終った。
 涙菜、優奈、梨恵、田仲の四人は、一緒に屋上へ行こうとしていた。
 はっ、とした涙菜は、三人に小声で話し掛けた。

「・・・この時間って事は、学校中の女の子が・・・優奈に・・・」

 その先を言おうとした涙菜の言葉はある音にかき消された。

ダダダダダダダダダダダダダ――――――――――――。

 昨日と同じ足音。
 田仲が切り出した。

「急げ!!さっさと屋上いくぞ!!」

「またぁ!!」

「夜光君、そんなこと言ってる場合じゃないわよ!!」

「優奈急ごう!」

 四人は、屋上へと超特急で走り出した。
 教室は、涙菜達が出て行った。すぐ後に学校中の女子で一杯になった。
 そして、女子の中の一人が涙菜達のクラスメート達に問い掛けた。

「優奈君知らない?」

 その女子は昨日も一人発言した女子だった。
 女子の名前は、旋風 亜美 (ツムジカゼ アミ)というなんだかしっくりこない名前の持ち主の彼女はクラスメート達に笑っているが決して笑っていない目で言った。
 クラスメート達は皆必死に(なかには震える生徒も)首を横に振った。

「本当に?」

 旋風はまた、恐ろしい笑顔をしてクラスメート達に問い掛けた。
 クラスメート達は、(もう泣く生徒も)一斉に首を必死に縦に振った。

「そう、じゃ仕方ないわね。」

 そして、旋風だけ去っていった。