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「その時、私はね･･････もちろん母親も憎かったけど･･････
それ以上に自分の存在が疎ましかった･･････
だから･･････いなくなってしまえばいいと思って･･････
学校の屋上から飛び降りようとした時、浩平に助けられたの･･････」
静かに話す私の姿から目を逸らし、真っすぐ前を向いて渡辺くんは、呟いた。
「･･････手塚さんが自殺してしまったら･･････
お父さんが悲しむよ･･････」
彼の言葉に私は目を丸くして驚いているのも知らずに、彼は話を続けた。
「･･････大切な命を粗末にするような育て方をしてしまった自分を悔いるんじゃないかな？
自分が子供の出来ない体だとしたら余計に･･････
そりゃ、お母さんのことも許せないかもしれないけれど･･････」
同じだ･･･。
「浩平にも同じことを言われた･･･」
私は、あの時の浩平の顔を思い出すように目を閉じると、自分の想いを口にした。
「私の命の恩人を裏切るわけにはいかないのよ･･････
例え、今後、彼に裏切られたとしても･･････」
苦しそうに呟く私に対して、彼もまた苦しそうに声を出した。
「･･･本当に、手塚さんに、もっと早く出会いたかったよ･･･」
その言葉は私の胸に刺さるようで、痛かった。
