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『なんやろう・・・』
私はリビングに落ちていた紙切れを手に取り目をやると、自分の目を疑った。
――血液型検査報告書――
―――テヅカサトシ―――
―――――B型―――――
『B型?』
私が見たのは、父・智の血液型検査の結果で、一瞬にして私の頭の中は真っ白になっていた。
『お父さん、A型じゃないの?』
私は、ずっと父親の血液型はA型と思っていた。
それが・・・違う・・・。
母親の真由美がB型で、父親もB型では、どう考えても私の血液型――A型――の子供が生まれるわけがない。
私は・・・一体誰の子供?
頭の中では、あらゆる想像が取り巻き、それは全て私を苦しめるものだった。
お父さんと血が繋がっていない・・・。
じゃあ、お母さんとは・・・?
私が信じることができない現実に、動くことができずにいた。
その時、母親が買い物から帰って来て、リビングのテーブルにもたれかかるようにして立ち尽くしている私が手に持っている物を見ると、動くことができなくなっていた。
『ゆかり・・・』
消えそうな声で呼び掛けられると、私は涙を流しながら、顔を上げた。
『お母さ・・・ん』
私は、その場から逃げることもなく、母の顔をじっと見つめた。
私は、逃げずに、すべてを聞こうとしていたことは、母にもわかったようだった。
『ゆかり・・・そこに座って話しましょう・・・』
戸惑いながらも口を開いた母に言われるまま、目の前の椅子に腰をかけた。

