エンビィ 【完】




「やめ、…っ」


「Shut up!!」




百瀬に選んでもらった、白のドレスが破れる音がした。


外人はその音が気に入ったのか、破れたところをさらに引きちぎっていく。悲惨になっていくドレスは、さらにあたしを惨めにさせる。


どうして、こうされているのがあたしなのか。

あたしである必要なんてないだろうに。



運が悪かったじゃ済まない。


ここに呼び出したのはユキノなのに。あたしがこんな惨めで恥辱的な姿に晒されるなんて。


これがもしユキノに恥をかかそうとしたことへの罰だというのなら、

その代償は大きすぎると思うわ…




「なにしている?」



―――――伊織様、ねえそうでしょう?