エンビィ 【完】





また笑い声が木霊した後、その一角に集まっていた人は散らばっていった。


徐々に全身を晒した、紅一点。

逡巡していた視線が、あたしで止まる。




「お久しぶりだわ、玲奈さん」



赤にピンクが混じったような色の髪は、ウエーブがかかっていて、

歩くたびに波打っている。



一定の速度で瞬きする、蝶のまつ毛。

白い肌に、桜色の唇。



――――一段と異国の人形を見ているよう。




「……久しぶりね………お元気だったかしら…?」



今日も大人っぽい、黒のロングドレス。

さらにシックな雰囲気を演出しているのが、白い肌を隠すようにした黒のロンググローブ。




「ええ。お会いできて良かったわ」

「………」

「貴女に謝りたいと思っていたの」